今回の記事では情報が少ないNT(胎児浮腫)と臍帯ヘルニア、腹壁破裂についてお話してみようと思います。
実は私、11wの診察でNT(以下NT)を、12wの診察で臍帯ヘルニアと腹壁破裂の可能性を指摘されました。NTと臍帯ヘルニアは染色体異常の可能性がある症状です。これらを指摘されてからネットやinstagramでいろいろ情報を集めてみましたが、本当にケースが少なく(特に臍帯ヘルニア)、ネットの方では怖いことしか書かれていないため困ってしまっていました。
私と同じような指摘を受ける方も多いと思いましたので、少しでもお役に立てればと記事にまとめてみます。私自身が調べて分かったこと、先生が教えてくれたことを赤裸々に綴りましたので、どうぞご覧くださいませ。
11w(NT指摘)
数か月前に流産を経験していた私は、「次回の検診は4週間後」と言われていたにも関わらず、不安すぎて2週間後の11wのときに1度受診(笑) 自費でも何でもいいから、とにかく自分自身を落ち着かせるために病院に足を運びました。
初診時は院長先生だったけど、今回はクールな女医さん。「受診自体は全然問題ないよ」と言ってくれて「まずは診てみましょう」と内診台へ。ちゃんと心拍動いていました。しかも赤ちゃんの動いている姿も見ることができて感動。ここまでは良かった。
やたら内診の時間が長かったんです。そしてずっと頭部周辺を拡大し、頸部に映る何かを測っていました。『前回はここ測らなかった場所だな』と思いながら特に質問することもなくじっと座っているだけの私。女医さんもずっと黙々と何度も何度も測っていました。
しばらくして内診から解放されて診察を受けましたが、女医さんより
と言われました。安心するために来たのに「具合が良くないかも」と言われ、頭真っ白。
と、とりあえずもう少し情報が欲しくて何とか質問。
と言われました。調べてみると、NTの計測は非常に難しく(胎児の角度のよって厚さが大きく異なってしまう)、きちんとした資格を所持した先生でないと正確な数字が測れないそうです。なので今回の女医さんが出してくれた数字もバラバラ。とはいえ『3.2~3.5㎜』と大きくばらけた数字ではなかったので一気に不安が増しました。
と言われ診察は終了。とりあえずいったん診察室を後にして会計を待っている間、もっと情報が欲しくて検索。すると、NTの指摘=ダウン症の可能性がある、ということが分かってきました。
厚さも個人差がありinstagramでも『3㎜』『6㎜』『8㎜』と様々で、週を増すごとに徐々に厚さも大きくなっている方もいれば、次の診察ではなくなっていたという方も。
そしてほとんどの方が胎児エコーや何かしらの出生前検査を受けていました。検査の結果『ダウン症ではなかった』という方が圧倒的に多い印象でした。つまり、NT=ダウン症ではなく、ダウン症の可能性を探る判断基準のひとつに過ぎないということ。
厚さが薄くて、次の診察で引っ込んだ方でも検査の結果【陽性】だった方もいれば、絶望的な厚さなのに検査の結果【陰性】という方もいます。NTがすべてではなく、検査をしなければ分からないというのが答えなのかもしれません。
12w(臍帯ヘルニア or 腹壁破裂指摘)
12wの時点で少量の出血があったので産婦人科に電話して臨時で受診をしてきました。
平日だったのでそこまで待たず診察室へ。次は気前のいい優しいおじいちゃん先生。NTを指摘されたことをお話して内診台へ。
と言われ超~安心。NTがなくなってる! それだけで生き返るような嬉しさでした。でも、また先生の内診がやたら長い。ずっと何かを探しているような動かし方でした。そして「ちょっと腹部エコーもしてみましょう」と言われ、内診台から診察室のベッドに移動。はじめての腹部エコーだったけど、なんでいきなりこれを始めたのか分からずにいると、先生から、
と。『え、また新たな不安要素?』と心臓バクバク。
もうこの時点で「はい?」っていう感じ。腸が? へその緒に? 逆流しているようなもんですよね? もう全然わけわからん状態。
13トリソミー。医療機関に勤めているせいか何となく耳にしたことある疾患名。ちょっと長いですが、引用します。
13トリソミーは出生約10,000人当たり1例の頻度で発生し,約80%が完全な13トリソミーである。母体年齢が高くなるにつれてリスクも増大し,過剰染色体は通常母親由来である。
在胎期間に対して体格が小さい傾向がある。正中部の異常がよくみられ,全前脳胞症(前脳が適切に分割されないことで生じる),口唇裂や口蓋裂などの顔面奇形,小眼球症,虹彩コロボーマ(欠裂),網膜異形成などがみられる。眼窩上隆起が浅く,眼瞼裂は通常傾斜している。耳介は変形し,通常低位付着となる。難聴も多い。頭皮欠損および皮膚洞もよくみられる。しばしば頸部背面上に弛緩した皮膚の襞がみられる。
猿線(単一手掌屈曲線),多指症,凸状に隆起した狭い爪もよくみられる。約80%の症状で重度の先天性心血管異常を合併し,右胸心がよくみられる。生殖器は男女とも異常の頻度が高く,男児では停留精巣と陰嚢異常が,女児では双角子宮が生じる。乳児期早期には無呼吸発作が頻繁に発生する。知的障害は重度である。
引用:MSDマニュアル
ざっくりまとめると奇形を合併しやすい染色体異常で、重度知的障害をもって産まれてきます。ただ産まれてくるケースは非常に稀で、ほとんどが産まれてくることなくお腹の中で亡くなってしまい、もし出産できても非常に短命のため1歳までしか生きられない子がほとんどのようです。
また13トリソミーはエコー画像以外にも心拍にも特徴が出るようで、通常の胎児をと比べると心拍数が早いようです。だいたい12wにもなると160前後に落ち着く心拍数ですが、今回私の赤ちゃんは186ほどありました。早い……。素人の私から見ても早いと分かります。
もちろん後々調べると腸が引っ込むのも、心拍数が落ち着くのも個人差はあるという情報を何とか見つけ出すことはできましたが、それでも染色体異常の可能性は高いと思いました。
NT指摘のときよりもはるかにショック。あまりにも驚き過ぎて涙も出ない。NTのワンクッションがあったためかもしれませんが、知識がない分わけわからん状態だったけど、現実としてある程度受け止めていたのかもしれません。
ただ先生は、『腹壁破裂』の可能性もあると言います。腹壁破裂とは、へその緒ではなくへその緒の右側のお腹の皮がうまく形成されず、そこから内臓が飛び出してしまう症状。腹壁破裂だと染色体異常はなく、通常通り産まれてくるそうです。先生がエコーで一生懸命探してくれていたのはへその緒だったようです。へその緒から出ているのか、そうではないのかを診てくれていたようですが、まだ胎児が小さく確認できなかったと。
とかなり丁寧に優しく、後の患者さんがたくさんいるのにすっごく時間をかけて診察をしてくれました。ありがたい。
診察を終えていろいろ調べてみたけど、臍帯ヘルニアも13トリソミーも、あまりに症例が少なく情報がまったくありませんでした。ネットでは産まれてきた後の写真とか出てきたんですけど、直視できたものではなく、見ていてつらいものばかり。
でもこの時点で、私は冷静だったかもしれません。やっぱり結果を受け止めていたんだと思います。いくらネットで調べても赤ちゃんが治るわけでもない。だったら考えるのは、出生検査を受けるかどうか、もし【陽性】と出たらどうするのか、など先のことを考えていくのが大事なんじゃないかと思っていました。そう考えると染色体異常のネット検索はしなくなったし、いつもと変わらず笑顔で過ごせたし、出生前検査について情報を集めるようになりました。
13wの診察結果
そして通常の健診日。ここに至るまで毎週受診していたけど、本当に濃い日々でした(笑) いろいろ言われ過ぎて情報も集めて、知識を増やすことができました。
こんなに一気にいろんな指摘を受ける妊婦さんはあんまりいらっしゃらないんじゃないかと思います。むしろ言われない方が不安にならなくていいのかもしれません。気になりやすいタイプの人だと、1日中そればっかり考えてしまいますもんね。
ちなみに11wで女医さんが指名した○○先生を受診してきました。これまでの先生とは違い、何だかオーラのある先生(笑) 何といえばいいんだろう。苦手な人は苦手かもしれない。でもすごく勉強熱心な先生だということも会話の中で分かったので、とりあえず診察を受けてみることに。
結果、NTも臍帯ヘルニアも見られませんでした!!
どちらもなくなっていたようです!!
普通に嬉しい。いろんなものから一気に解放された感じでした(笑)
ただ、その先生の話によると、
と言われて納得しました。
つまり症状が消失しても、先天性の染色体異常が消えてなくなるわけではないので、心配だったら出生前検査を受けた方がいいとのこと。たしかにエコーだけじゃ何も分からないよね。言ってしまえば外見や心拍などの確認が出来るだけで、細胞のこととか先天性の疾患までは分からない。当たり前のことを言われました。
まとめ
私は今回、毎週のように受診していたから今回このようないろんな指摘を受けたのかもしれませんが、症状がある=先天性疾患、ではないということが本当によく分かりました。なんだかんだで検査を受けてみないことには確定できないし、大事なのは【陽性】と確定した後、どうするのかというところだと思います。
こればっかりは正解もなく、周りが決めることでもないのですが、夫婦で納得できる答えが出せるといいですね。
これを読んでくれているみんなが、健康で元気な赤ちゃんが産めますように。